面接で高評価をされやすい逆質問と低評価を招く逆質問の違い

面接の最後に訪れる逆質問タイム。

「何か質問はありますか?」と聞かれても、どんな質問をすれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、面接の逆質問で高評価を得ることができるようになる知識をお届けします。

逆質問に込められた面接官の意図

逆質問の時間は、面接の終了間際に訪れるケースが一般的です。

「面接でお聞きしたいことは以上です。〇〇さんから質問はございますか?」という具合に逆質問を振られると、逆質問の時間は選考とは無関係に思えなくもありませんが、それは錯覚。逆質問の時間も面接選考の一部です。

面接官は、あなたを評価する意図を持って「〇〇さんから質問はございますか?」と逆質問を振っています。

ただ、逆質問の受け答え内容には、選考の合否を左右するほどの影響力はありません(敢えて定量的に説明するならば、面接全体の評価に占める逆質問の受け答え内容の評価割合は5%もないでしょう)。

ですが、面接選考の通過・落選が不確かな状況下においては「逆質問は評価への影響が小さいから、どうでもいいや」と油断することなく、逆質問の受け答えでも高評価されるためのコミュニケーションを取ることを推奨します。

高評価されやすい逆質問

1. 将来活躍するための条件を逆質問する

その企業で将来活躍するための条件について逆質問をすることで、面接官は「意欲的だな」「熱意がある」「先を見据えていて頼もしい」といった印象を抱きやすくなります。

<効果的な逆質問例>
「将来的にリーダーやマネジメントとして組織に貢献したいと考えているのですが、御社で活躍されている社員様の共通点について教えていただけますか?」

2. 面接官個人のことを逆質問する

面接官個人のことについて逆質問をして、面接官の回答内容に共感を示すことで、面接官は「自分に興味を持ってもらえている」「自分とウマが合う=自社にマッチしそう」と感じ、あなたに良い印象を持ちやすくなります。

<効果的な逆質問例>
「○○様(面接官の名前)が、●●社(企業名)を志望された理由を教えていただけますか?」

「○○様(面接官の名前)にとって、仕事でやりがいを感じるのはどのような場面でしょうか?」

「○○様(面接官の名前)の将来の夢や目標、会社の中で実現したいことについての考えをお聞きかせいただけますか?」

「○○様(面接官の名前)にとって、どんなことが働く上でのモチベーションの源泉になっていますか? 」

「○○様(面接官の名前) が、御社の企業文化が体現されていると感じたエピソードをお聞きしたいです」

低評価を招く逆質問

1. ネットを調べれば分かることを逆質問してしまう

ネットに一般公開されている情報を知らないということは、情報収集力(リサーチ力)がない=能力面のマイナス評価と、やる気を感じられない=志望度面のマイナス評価を招きます。

2. 事務的な確認事項を逆質問してしまう

「選考結果はいつわかりますか?」「選考スケジュールについてお聞きしたいのですが…」などの事務的な確認事項は、面接終了後に聞けば済む話です。

貴重な逆質問の時間を無駄に使っている=コミュニケーション力(質問力)が低いと評価されても仕方ありません。

3. 待遇や福利厚生を逆質問してしまう

待遇や福利厚生を知りたがるのはTake視点(自分がどんな得をするのか)ですが、面接で問われるのはGive視点(自分がどんな貢献をできるのか)です。

面接中にTake視点の話をしてしまうと、面接官は「この人は自分が得することを考えていて貢献する意識が弱いな」という具合にマイナス評価を招いてしまう可能性が生じますので、逆質問でもGive視点に徹するようにしましょう。

ちなみに、待遇や福利厚生で深く知りたいことがあれば、内定後に聞くことをおすすめします。あるいは、口コミサービスで調べてみるのも有りです。

<参考情報>
【おすすめ】就活や転職に使える口コミサービス|ニャンキャリア

逆質問で欲しい情報を得る方法

逆質問の時間は、あなたが欲しい情報を得るための大チャンスです。この好機を活かし、自分が欲しい情報を得るための方法を「3つの逆質問例」を交えながら説明します。

曖昧な逆質問

<逆質問例1>
「御社の法人営業部内の配属に関して、詳しく教えて頂けますでしょうか?」

このような曖昧な逆質問をされると、面接官は「営業部署の組織構成について答えれば良いのか、配属の流れについて答えれば良いのか、配属を決める基準について答えれば良いのか、一体何をどう答えれば良いのだろうか?」と困惑します。

当然、あなたが欲しい情報を得ることも難しくなります。

具体的な逆質問

<逆質問例2>
「御社の法人営業部内の配属に関して、企業HPの情報を拝見する限り、顧客の業種によってチームが分かれるようですが、どのような基準で配属先が決定されるのでしょうか?」

このような具体的な逆質問であれば、面接官は「配属先を決定する基準について答えれば良いな」と理解できるので、配属先を決定する基準についての一般的な情報を答えることができます。

あなたが欲しい情報を得られる可能性はグッと高くなります。

具体的で意図が明確な逆質問

<逆質問例3>
「御社の法人営業部内の配属に関して、企業HPの情報を拝見する限り、顧客の業種によってチームが分かれるようですが、私は大学時代に情報技術を学んでいたので可能であれば自分の強みや興味関心を最大限発揮できるIT業界向けのサービス展開をしているDチームへの配属を希望しています。チーム配属に関してはどのように決定するのでしょうか?」

この逆質問は具体的であり、かつ、「自分の強みや興味関心を発揮したいのでIT業界向けのサービス展開をしているDチームへの配属を希望している」という逆質問の意図が明確なので、

面接官は「Dチームへの配属可能性を考慮しながら、配属先を決定する基準を説明しよう」と、逆質問の意図を踏まえた個別具体的な情報を提供することができます。

自分が欲しい情報を得るための逆質問は、具体的で意図が明確な逆質問が最強です。

逆質問に関するFAQ(よくある質問)

1. 逆質問で自己PRをするのは効果的か?

【Question】
逆質問の時間を活用して、自分の長所を自己PRしようと思いますが、効果はありますか?

【Answer】
面接官の「自己PRをお願いします」「学生時代に頑張ったことについてお聞かせいただけますか?」の質問に回答することが自己PRであり、「何か質問はありますか?」という逆質問の時間に自己PRをするのは適切ではありません。

「私の〇〇の経験(や〇〇の強み)は御社の仕事でも活かすことができると思います。よろしくお願いします」と伝えたところで、効果はあまりないでしょう。

むしろ、「何か質問はありますか?」の問いに対して、質問以外の回答をしている時点でコミュニケーション力に難があるというマイナス評価をされるリスクが高まります。

2. 逆質問をしないのは有りか?

【Question】
逆質問をしないのは有りか?

【Answer】
逆質問したいと思えることがなければ無理に逆質問をする必要はありません。その上で、 面接官に「この人は自社に興味がない(志望度が低い)のだな」と思われてしまう可能性が生じることは覚えておきましょう。

3. 逆質問のコツは有りますか?

【Question】
逆質問の時間を有効活用したいのですが、簡単に実践できるコツのようなものはありますか?

【Answer】
コツと言えるほどのものではありませんが、逆質問の内容は、面接官の属性を踏まえることで具体的で価値ある情報を得やすくなります。

  • 面接官が人事担当者:組織制度や組織風土の情報
  • 面接官が現場部門の社員:業界動向や仕事内容の情報
  • 面接官が経営陣:中長期の事業の方向性や戦略の情報

逆に考えると、人事が面接官の時に「業界動向や仕事内容の情報」を逆質問しても、期待するレベルの情報を得ることが難しいということでもあります。

終わりに

逆質問が面接選考の一部である以上は、高評価を得るための逆質問をできるようになることが大切です。しかし、逆質問の本質的な価値は、自分が欲しい情報を得ることができる点にあります。

自分と企業との相性(マッチ度合い)を確認する情報を得るために、あるいは、自身の就活に役立つ情報(業界研究や仕事研究に役立つ情報など)を得るために、逆質問を有効活用することをお勧めします。

執筆者はこの人!

ジョブ吉
ジョブ吉

就活支援のプロ。自分のキャリアを考える機会を増やすことで“くじ引き”と言われる初職選びで外れくじを減らすことができると信じている派です。Twitterはこちら

公開日 2019-08-22 最終更新日 2023-03-19