「おっ、この子は違う」と思わせる就活の電話マナー、4つのポイント

Contents(目次)

就活の電話にも、マナーがあります。

就活中の連絡手段と言えば、そのほとんどがweb(インターネット)やメール。その反動なのか、学生の電話応対の対応が年々下手になっている気がします。

今回は、就活の電話マナーについてポイントを体系的にまとめました。ぜひ、実践いただければと思いますʕ•ᴥ•ʔ

就活の電話マナー4つのポイント

1. 姿勢正しく気持ちを乗せて!

・明るくハキハキした声
・小さくて聞きとり難い声
・暗くてこもった声
・緊張した固い話し方
・のびのびと落ち着いた話し方
・せっかちで早口

電話でのコミュニケーションは対面とは違って表情が見えませんから、声の大きさやトーン、話し方で印象が決まります。

つまり、明るくハキハキした声×のびのびと落ち着いた話し方をするAさんと、小さくて聞きとり難い声×せっかちな早口なBさん。この二人の印象には相当な差がつくことになります。

Bさん向けのアドバイスとしては2つあります。

・姿勢を正しく!

姿勢って意外と声に影響するんですね。うつむいて話すのと、背筋を伸ばして肩の力を抜いて顎をひいて話すのを比べると、まるで違ってきます。試しに友人と一緒に実験してみることをお勧めします。

・気持ちを乗せて!

選考通過の連絡を聞いた時の嬉しい気持ち。面接日程を自分都合で変更いただくお願いをする時の申し訳ない気持ち。そういった気持ちはできるだけ声に、電波に乗せるようにしましょう。

気持ちが乗ると声の調子が変わってきます。その変化は電話の相手にも、きちんと伝わるものです。当然印象も良くなります。

2. 言葉づかいをマスターしよう!

敬語や丁寧語はできるだけマスターしましょう。

<よく使う言い回し>

  • ありがとうございます
  • こちらこそ、ありがとうございます
  • ご丁寧にありがとうございました
  • お忙しいところ恐れ入ります
  • お手数ですが、伝言をお願いできませんでしょうか
  • 失礼ですが、お名前をお教えいただけますでしょうか
  • 失礼いたします

こういった言葉づかいをできるかどうか。

それが大人か子供、どちらに見られるの分かれ目となります。慣れていないと「早口になる」「どもる」「言い間違える」という失敗の元になるので、練習しておきましょう。

また、参考までに間違えやすい言葉についてもご紹介します。

<間違えやすい言葉>

・了解しました
「了解しました」でも意味は通りますが人によっては不愉快に思われることもあるので、一般的に使われている「承知いたしました」を使いましょう。

・貴社
書き言葉では「貴社」が正しいが、話し言葉では「御社」が正しいです。

・課長様
役職名は、それ自体が敬称なので、課長様(役職名+様)という言葉は二重の敬語となり不適切です。「課長の佐藤様」というように名前の後ろに様をつけましょう。

間違えやすい言葉だからこそ、きちんと正しく使うことで「おっ、この子は違うね!」という印象を与えることにもつながります。

3. 電話コミュニケーションの型を覚えよう!

電話コミュニケーションには「こういった流れで進めれば良い」という型(ビジネスルール)があります。下記の3Stepを覚えておきましょう。

Step1:最初に名乗り、 担当者に取り次いでもらう

<例>
「○○大学の○○〇〇と申します。○月○日の〇次面接の件で 確認したいことがありまして、人事部〇〇課の〇〇〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」

自分が何者なのか、そして、誰にどんな要件があるのかを伝えましょう。ちなみに、担当者に電話に出ていただく確率を高める手法に “敢えて要件を伝えない” 技がありますが、それはマナー的にはよろしくありません。

Step2:担当者に要件を伝える

<例>
「○○大学の○○○○です。○月○日の〇次面接の件でお電話をさせていただきました。確認したいことがあるのですが、2~3分ほどお時間よろしいでしょうか」

このように、自分が何者なのか、何の話なのかを具体的に伝えましょう。また、「2~3分ほどお時間よろしいでしょうか」という一言は聞き手に対する気遣いになるので印象が良いです(こういった配慮なしに本題を長々と話すのは印象がとても悪いです)。

ちなみに、担当者に取り次いでもらう際に肝心の担当者が不在であることも少なくないので、このシチュエーションにおける要点も下記にご説明します。

・席に戻る時間を確認する
「恐れ入りますが、何時頃であれば席に戻っておられるか教えていただけませんでしょうか」と、次の連絡チャンスを確認しましょう。そして、確認できた場合は「ありがとうございます。では、その頃に改めてお電話させていただきます」と伝えましょう。

・伝言は相手の都合を聞いてお願いする
電話に対応いただいている方に伝言をお願いする際は、気遣いとして「恐れ入りますが、伝言をお願いしてよろしいでしょうか」と伝えましょう。

・他の人事の方につないでもらう
伝言をお願いするにしても、同じ部署(人事)の方のほうが話が通じやすいので「他に人事の方がおられましたら、お願いできませんでしょうか」と聞いてみるのは有りですし、緊急時であればぜひ聞きましょう。

・複雑な用件、重要な用件の場合
内容を復唱したり、伝言相手(電話に対応いただいている方)のお名前を聞いておきましょう。重要な用件であるというニュアンスも伝わります。さらに、念のためにメールでも担当者へ連絡を入れておくと安心です。

Step3:挨拶して電話を切る

(例)
「お電話に対応いただき、ありがとうございました。失礼いたします。」

電話対応いただいた担当者に感謝を伝えつつ、「失礼いたします」で締めます。そして、電話を切る際は、ひと呼吸おいてから切りましょう。これは相手に「プツッ」という音が聞こえないようにするための配慮です。

また、固定電話を使用する場合は電話を切る=受話器を置く音が「ガッチャン!」と激しくなりがちなので受話器は静かに置くようにしましょう。

4. 電話は正しく受けよう!

相手から電話を受けた際の正しい受け方の要点をご説明します。

・もしもし不要
ビジネスシーンでは「もしもし」は必要ありません。「はい、○○です」と明るい声で電話に出ましょう。

・まずは挨拶
相手が名乗ったら「こんにちは」「お世話になっております」など、まずは挨拶を返しましょう。

・いつでもメモ
会話の内容を記録できるように、すぐに手帳(メモ)を取り出せるようにしておくことが大切です。

・静かな場所で話す
騒がしい場所や車中の場合、留守番応答機能を利用したり、いったん電話出た上で「○分後にかけ直します」と伝えましょう。

・必ず復唱する
電話内容で重要事項(面接の場所や時間など)の説明があった場合は、間違えることのないように必ず復唱しましょう。

就活電話マナーFAQ(よくある質問)編

1. 電話をかける時間帯

<質問>
企業に電話をかける時間帯について「朝が良い」とか「夜が良い」とか、そういった決まりはあるのでしょうか?

<回答>
企業の営業時間内(お昼休みを除く)であれば基本的にいつでも大丈夫です。気を配るのであれば、朝一(始業時間から1時間以内)と昼(ランチの時間帯の前後1時間)、帰り際(終業時間の1時間前以降)を避けると良いでしょう。就業時間が9時~18時(12~13時は昼休み)という企業を想定すると10時~11時、14時~17時の時間帯が良いです。

2. 電話に出るスピード

<質問>
電話に着信があってから3コール以内に出るべきという話は本当でしょうか?

<回答>
ビジネスシーンでは「3コール以内に出る」のは常識ですが、就活シーンは状況がいろいろと違うので3コール以内に出なくても大丈夫です。

※ビジネスシーンで電話に3コール以内に出ることができるのは、固定電話がデスク近くに常設されており、社員は仕事モードで集中しているからこそなせる技です。この特殊要因を無視して就活シーンにも3コール以内ルールを適用するのはアンフェアです。

3. 電話の相手が名乗らない場合

<質問>
知らない番号から電話がかかってきた時に、相手が名乗らない場合はどうすればいいのでしょうか?

<回答>
相手が誰なのかが分からない場合は「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と伝えるのが基本ですが、話(電話の要件)を聞く中で、相手が誰なのかが分かることもあります。ですので、まずは少し話を聞いてみる。その上で、相手が誰なのかが分からないのであれば名前確認をするのもよいでしょう。

4. 電話相手の声が聞き取りにくい場合

<質問>
電話中に相手の声が聞き取りにくい場合は、どうすればいいのでしょうか?

<回答>
「申し訳ございません、お電話が少々遠いようで、もう一度よろしいでしょうか」という便利な言い回しがあるので覚えておきましょう。大事な要件を聞き逃す、または、聞き間違えることは絶対に避けるべきなので「ちょっと聞き取りづらいな」と思ったら、すぐにこの言い回しを使いましょう。

就活の電話マナークイズ

就活の電話マナーに関するノウハウ情報をクイズ形式(三択問題)でお届けします。

第1問:電話をとった際の第一声

<問題>
企業の方から電話がありました。電話をとった際の第一声として適当なものを選んでください(三択)。

1. はい、○○です
2. もしもし
3. もしもし、○○大学の○○です

<解答解説>
正解:1番

電話に出る際、かける際の「もしもし」はビジネスシーンではNGです。

逆に、企業に電話をした際に、電話に出た社員の方が「もしもし」を使うかどうかで、その企業の電話対応やマナーのレベルが分かります。

第2問:OB訪問の電話

<問題>
OB訪問をお願いした社会人の方にアポイントの電話をしたが不在だった。対応として適切なものを選んでください(三択)。

1. 何時頃にお戻りでしょうか?と確認し、自分からまた電話します、と伝言をお願いする
2. 電話があった旨を伝えてもらうように伝言を残す
3. 相手の判断に任せるためにも、特に何も伝えず失礼する

<解答解説>
正解:1番

自分だけでなく、相手の時間も無駄にしない効率的なコミュニケーションは多忙なビジネスシーンにおけるマナーとして重要です。

今回の「OB訪問をお願いした社会人の方にアポイントの電話をする」というシチュエーションは、自分から相手への依頼になるので、基本的には自分から連絡を入れる必要があります。

相手が不在であれば、戻り時間(電話が繋がる時間帯)を確認して、自分から再度電話するアクションが好ましいです。よって正解は1番。ただし、

・親しい間柄(プライベートで連絡が取れる)
・事前にメールでもアポイント調整のやり取りをしている(伝言の必要がない)

場合など、状況によっては2番や3番の回答も間違いではありません。

第3問:電車の中で着信があった場合

<問題>
電車の中で企業の方から電話の着信があった場合の対応として適当なものを選んでください(三択)。

1. この場(電車内)から、すぐにかけ直す
2. 静かな場所に移動してかけ直す
3. 企業からの電話が再度あるのを待つ

<解答解説>
正解:2番

電車内で電話をすることは就活マナー以前に社会的なマナーの問題です。たとえ企業の方から電話の着信があっても電車内では出ないようにしましょう。また、電車内でなくとも駅のホームなどの周囲がうるさい場所で電話をすると、こちら側の声が相手に届きづらく、相手の声が聞き取りづらいものです。

その延長線上の問題として、重要な情報を聞き間違える可能性もあります。とにかく静かな場所に移動してからメモをとれる体制でかけ直しましょう。

なお、企業から伝言として「○○の件で電話しました」「別途メールにてご連絡します」というようなメッセージが残っている場合は、こちらから電話をかけ直さずともメールにて返信すれば大丈夫な場合もあります。

ただし、急ぎの用件(例:明日の面接の日程調整の件)の場合は必ず電話をかけ直すようにしましょう。

第4問:電話で呼び出した相手の本人確認

<問題>
こちらから電話をかけて人事担当のAさんを呼び出しました。電話がつながりましたが、本人確認の仕方として「言葉遣い」が適当なものを選んでください(三択)。

1. ○○大学の○○です。Aさんでいらっしゃいますか
2. ○○大学の○○です。Aさんでございますね
3. ○○大学の○○です。Aさんでしょうか?

<解答解説>
正解:1番

2番の「ござる」は、自分とモノにつける言葉なので間違いです(自分が名乗る場合には「○○でございます」と言います)。

相手に対して丁寧に言う場合は「いらっしゃる」です。

シチュエーション別の就活の電話マナー

1. 面接選考を辞退する場合の電話マナー

<会話例>

あなた:○○大学の○○〇〇と申します。○月○日〇時に実施予定の一次面接の件でお伝えしたいことがありまして、人事部〇〇課の〇〇〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?

先方:人事部〇〇課の〇〇ですね。少々お待ちいただけますでしょうか。

あなた:はい、承知いたしました。

人事:お電話代わりました、〇〇です。

あなた:○○大学の○○〇〇です。○月○日〇時に予定されている一次面接について辞退させていただきたくご連絡差し上げました。

人事:承知しました。ちなみに、辞退理由についてお聞かせいただけますか?

あなた:はい、面接日程確定後にどうしても外せない大学の講義が同日の同じ時間帯に入りまして…そちらを優先せざるを得なくなったことが理由となります。

人事:なるほどですね。そういったご事情であれば、面接日程を再調整させていただきますので、後ほどご連絡差し上げますね。

あなた:ありがとうございます!

人事:今回は丁寧にご連絡いただきありがとうございました。それでは失礼いたします。

あなた:こちらこそ、急なご連絡にも関わらずご対応いただきありがとうございました。失礼いたします。

<解説>
面接に限らず、インターンシップや会社説明会など、一度確定させた日程をキャンセルする場合のポイントは以下の2点です。

  • お詫びの気持ちを込めて話すこと
  • キャンセル理由を説明すること

人事によってはキャンセル理由を聞かない場合もあり得ますので、今回の会話例のように望まないキャンセルの場合は、別日程での機会を得るために、自分からキャンセル理由を伝えることを推奨します(下記例)。

あなた:○○大学の○○〇〇です。私が参加予定の○月○日〇時の一次面接の件について、会社説明会のエントリー後に、どうしても外せない大学の講義が同日の同じ時間帯に入りまして…そちらを優先せざるを得なくなったため、選考を辞退させていただきたくご連絡差し上げました

最後の「選考を辞退させていただきたくご連絡差し上げました」は、「一次面接の日程を別日程で再調整いただきたくご連絡差し上げました」と言い換えても大丈夫です(選考を受け続けたい意思が相手に伝わりやすくなります)。

2. 遅刻連絡をする場合の電話マナー

<会話例>

あなた:○○大学の○○〇〇と申します。本日〇時より実施予定の会社説明会についてお伝えしたいことがありまして、人事部〇〇課の〇〇〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?

先方:人事部〇〇課の〇〇ですね。少々お待ちいただけますでしょうか。

あなた:はい、承知いたしました。

人事:お電話代わりました、〇〇です。

あなた:○○大学の○○〇〇です。本日〇時より実施予定の会社説明会に参加予定なのですが、大変申し訳ございません。電車遅延により到着が15分程度遅れる見込みなのですが、このまま会場に向かってもよろしいでしょうか?

人事:はい、大丈夫です。そのまま会場にお越しいただけますでしょうか。会場の扉は閉まっていると思いますが、入り口に弊社のスタッフが立っておりますので、その者に話しかけていただければ会場に入れます。30分までの遅刻であれば問題ありません。急ぎ過ぎて怪我などをなさらぬように、ゆっくりとお越しください。

あなた:ありがとうございます! それでは失礼いたします。

<解説>
遅刻連絡をする場合のポイントは以下の3点です。

  • お詫びの気持ちを込めて話すこと
  • 遅刻理由を説明すること
  • 到着見込みの時間を伝えること

また、「遅刻しそうなことが分かったらすぐに連絡をすること」も重要です。遅刻する時点で自分の評価はマイナスになりますが、遅刻連絡が早ければ早いほど、先方への迷惑(負担)を軽くすることができます。

これは余談ですが、

「自分はもうダメかもしれないが、そんなことに構わずに相手のためを思って行動する姿勢」は分かる人事には分かるものです。遅刻という状況によって垣間見えたあなたの人間性が高く評価されることもあるでしょうから、それを信じて誠実な行動を続けることを推奨します。

まとめ:就活の電話マナーは、なぜ必要なのか?

就活の電話マナーは、なぜ必要なのか?

「就活マナーは印象評価に影響する。そして人が人を評価する際には主観が入り込むので、印象評価は無視できない」。

これが理由の一つですが、本質的な理由は「小さな約束」を守ることにあります。

ビジネスは多くの約束事で成立しています。契約書はもちろん、納期(いつまでに仕事を完了させます)の約束や目標達成(これぐらいの成果を出します)の約束など、ビジネスでは様々な約束を守ることの積み重ねで周囲から信用をいただくことができます。

しかし、そうやって築き上げてきた信用も、約束を破ることで(その内容次第では)一瞬で吹き飛んでしまう。それがビジネスの世界の厳しさです。だからこそ、企業はビジネスの世界の入り口に差し掛かっている就職活動期の学生に対しても約束を守ることを期待しています。

就活マナーを守るということは「小さな約束」を守るということなのですʕ•ᴥ•ʔ

執筆者はこの人!

ジョブ吉
ジョブ吉

就活支援のプロ。自分のキャリアを考える機会を増やすことで“くじ引き”と言われる初職選びで外れくじを減らすことができると信じている派です。Twitterはこちら

公開日 2019-07-25 最終更新日 2022-05-22