「裁量」を企業選びの軸に考えている人が知っておきべき3つの視点

あなたの企業選びの軸(就活の軸)は何ですか?

今回は「裁量」を企業選びの軸に考えている人に向けに企業探しの方法をご紹介します。

※裁量とは自分の判断が入り込む余白のようなものです。指示されたことをこなすだけではなく、自らの責任で自分の思うようにやることが仕事のやりがいに繋がります。

組織の戦略や戦術に関われる裁量を欲しければ「出世のしやすさ」を調べる

トップ層が戦略を決めて、
マネジメント層が戦術を考えて、
現場層が戦闘に臨む。

裁量は階層構造です。役職の高い層ほど重要な役割(上位階層の裁量)を担うのは組織の常。ゆえに、組織の戦略や戦術に関われる裁量が欲しい場合は、その組織での出世のしやすさを調べると良いです。

<出世のしやすさに関わる情報>

・人事評価制度
成果を出した社員が評価されやすい制度になっているかを調べましょう。

・昇進昇格のスピード
新卒入社後の昇進昇格のスピードの目安を調べましょう。口コミサービスやOB訪問などで、参考情報を得られる可能性があります。

・役職の階層の深さ
役職の階層は、大企業では深く(例:一般社員→係長→課長→部長→本部長→役員)、中小企業では浅い(一般社員→マネージャー→役員)傾向にあります。戦略や戦術に関わることのできる裁量を得る観点では中小企業の方がおすすめです。

・社員の優秀さ
組織はピラミッド型なので、上に行くには社内競争を勝ち抜く必要があります。その際、社員の優秀さは「自分は相対的に高い評価を得ることはできるのか?」を考える材料になります。

・別の出世ルート
新規事業提案制度や社内公募制度などの通常ルートと別の出世ルートがあることは、チャンスが増えるという意味において重要です。

裁量を奪われたくなければ「ブラック上司が生まれやすい組織」を避ける

上司の成功体験が部下の裁量を奪う。

つまり、ゴリゴリの営業スタイルで成果を積み上げてきた上司が、部下の裁量を奪い、ゴリゴリの営業スタイルを部下に強制することがあります。

自分のやり方を押し付けるブラック上司が生まれやすい組織はできるだけ避けることをおすすめします。

<ブラック上司が生まれやすい組織の例>

・売上至上主義の組織
数字を出した人が一番偉いとされる組織では、数字を出した社員が要職に登用される→その要職に就いた社員は自分の管理するチームの数字を出したい→「俺の成功体験を真似すれば数字は出るんだから、俺の言う通りにやれ」と部下に強制する構造が生まれやすいです。

仕事の裁量を拡大したいのであれば「ちぎり絵型の組織」を選ぶ

組織には、パズル型とちぎり絵型の組織があります。

パズル型組織は事業が完成している組織。パズルピースのように、自分と他人の仕事の境界が綺麗に線引きされている組織です。

ちぎり絵型組織は事業が発展途上の組織です。ちぎり絵の台紙に重なり合うように貼られた和紙のように、自分と他人の仕事の境界が曖昧な組織です(他人と仕事が重なる部分もあれば、誰の仕事でもない空白地帯もあります)。

自分の仕事の裁量を拡大したいのであれば、ちぎり絵型組織を選び、誰の仕事なのかが曖昧な部分を自分の仕事に取り込んでいくことをおすすめします。

<ちぎり絵型組織の特徴>

  • 成長市場で事業を展開している
  • 事業内容の新規性が強い
  • 業界の変化スピードが速い
  • 高い成長目標を掲げている

終わりに

就活中に「当社は裁量が大きいです」という企業PRを受けた際は、裁量が大きいとは具体的にどういう意味なのかを確認することを強くおすすめします。

ファクト(事実情報)が全くないのに、何となく「当社は裁量が大きいです」と言っているだけのケースも稀によくあります。

気を付けましょう。

執筆者はこの人!

ニャン子
ニャン子

転職支援のプロ。人のキャリアは地続きになっているので転職した瞬間に薔薇色の展開が拓けるなんてことはないのだから、今をしっかり生きましょうと伝えたい派です。

公開日 2019-08-27 最終更新日 2022-05-22