
新卒採用で通年採用をしている優良企業の募集情報まとめ
通年採用とは、年間を通じた採用活動です(年間を通じて応募を受付けます)。
新卒採用では新卒一括採用が主流ですが、人材獲得競争が激化する近年においては、新たな人材獲得の手段として通年採用が注目されています。
この新卒採用で通年採用をしている優良企業の募集情報を、学生の方は自身の就活に、企業の方は新卒採用で通年採用を検討される際に、お役立ていただければ嬉しく思います。
新卒採用で通年採用をしている、優良企業。
ネスレ日本
“社会で働く意味・意義を考えながら、自律的にに就職活動をしてもらいたい。留学や研究など、より一層学業に打ち込めるように、就職活動の時期を選んでエントリーしてもらいたい。多様な人材を受容し、オープンなイノベーションによって、組織ひいては社会を活性化させたい。そんな思いからネスレ日本は、年齢・学歴などの採用対象を限定せずオープンにエントリーを受け付け、選考時期・選考方法を皆さんが主体的に選択できるエントリーコースとして「ネスレパスコース」を実施しています”
<対象>
年齢・学籍・国籍など採用対象を限定せず
ユニリーバ
“「UFLP365」は、2017年6月に導入された、ユニリーバ・ジャパンの新卒採用制度です。「いつでも、どこでも自分のキャリアを考えてほしい」という想いから、オンラインを活用した通年採用を行っています”
<対象>
大学1年生~既卒3年以内の方
ファーストリテイリング
“ファーストリテイリンググループでは一人ひとりが仕事について真剣に考え、主体的に行動し、納得した将来が送れるように、一年中いつでも応募を受けつけています。学年、新卒・中途、国籍を問わないオープンな採用方法にすることで、みなさんが、自分にふさわしい仕事とは何かを考えるチャンスを増やし、一人ひとりが主体的に、自由に応募できるようにしています”
<対象>
どの学年からも参加可能
ソフトバンク
“将来を担う人財には、自分の可能性を限定せず、意思を持って主体的に進路を考え、選んでほしい。企業は、必要な時に、必要な人財を採用する。それを実現するのが、本来あるべき普遍的(ユニバーサル)な採用だと確信し、ソフトバンクは2015年より「ユニバーサル採用」をスタートいたしました”
<対象>
入社時30歳未満の新卒/既卒/就業者
チームラボ
“チームラボのアートやソリューションは、様々なバックグラウンドと専門性をもつメンバーによるものづくりの融合によって生み出されています。1人では実現できないものをつくるため、チームラボでは多様性と専門性を重視した採用をおこなっています。だからこそ、一般的な就職活動のスタイルやスケジュールにとらわれず、皆さま1人1人にとって最も都合の良いタイミングで、エントリーできる環境を整えています。卒業する時期や専門にとらわれず、いつでも、どなたでもご応募ください”
<対象>
学歴不問、卒業年度不問、専攻不問
カヤック
“カヤックでは、通年で新卒採用を行っています。新卒採用と言っても、大学4年生に限りません。今すぐ大学院を中退して入りたいという方、海外の大学に通っている方、秋卒業の方など、どんな方でもOK。学歴や卒業時期は問わず、その人の本質だけを見つめます。エントリーや選考の方法もさまざま。通常のエントリーシートに加え、ポートフォリオや書いたコードだけで応募できる「つくったもの選考」などもあります。また、「3月卒業だけど9月くらいに入りたい」などのご要望にも対応しています”
<対象>
学生であればどなたでもエントリー可能
通年採用と新卒一括採用は何が違うのか?
募集期間の違い
新卒一括採用の募集期間は、一般的に経団連の指針の内容で決まります。
近年は、3月1日から採用広報が開始するスケジュールです。ただ、外資系企業や一部の人気ベンチャー企業では数カ月~半年程前倒しでスケジュールを組むケースも見受けられます。
通年採用の募集期間は文字通り、通年です。途中で採用枠が充足する可能性も有り得ますが、基本的には一年中募集を受けて付けています。
募集対象の違い
新卒一括採用の募集対象は、翌年度の卒業予定者を指定するケースがほとんどです。
一方の通年採用では、大学生1年生から既卒者、第二新卒者や若手人材(30歳未満)に至るまで、幅広い層を募集対象とするケースが一般的です。ただし、通年採用であっても翌年の卒業予定者を指定するケースがあるので注意しましょう。
入社時期の違い
新卒一括採用の入社時期は、卒業年の4月1日を指定するケースがほとんどです。
通年採用でも4月1日を入社日に指定するケースが多いものの、求職者の都合(海外留学者や何かしらの事情がある方)に合わせて個別対応をする企業も多くあります。
学生の通年採用のメリット
就活を後回しにできる
通年採用では自分の好きなタイミングで企業の採用選考に応募できるので、大学在籍時は自分にとって優先度の高い活動(学業や課外活動など)に集中しやすくなります。
就活を後回しにできるようになることは、限りある大学生活を充実させる意味において大きなメリットになります。
万全の選考対策ができる
自分の好きなタイミングで企業の採用選考に応募できる とは、志望企業の選考を通過できるだけの実力を培う時間を十分に確保できることを意味します。
学業に励んで専門性に磨きをかけるも良し。必要なスキルを獲得するための資格取得をするも良し。実用的な実務経験を積むために長期インターンシップにコミットするも良し。
志望企業への入社に向けて、万全の選考対策ができるようになります。
志望企業に何度も応募できる
志望企業選考を受けるチャンスは基本的に1回限りです(就職留年や院進による再挑戦はハイリスクです)。
しかし、自分の好きなタイミングで企業の採用選考に応募できる通年採用の場合は、志望企業に年度も応募することが可能になります(下記例)。
- 志望企業に応募(大学2年次)→落選
- 再応募(大学3年次)→落選
- 再応募(大学4年次)→落選
- 再応募(既卒)→内定
学生の通年採用のデメリット
ライバルが増える
新卒一括採用におけるライバルは、卒業年度が同じ学生です。
通年採用では、この「卒業年度が同じ学生」に加えて、大学1~2年の後輩、海外大学生、既卒者(30歳未満)などもライバルに含まれるようになります。また、「今年は落ちたが来年こそは!」とリベンジに燃える再応募組が人気企業に殺到することも想定されます。
ライバルが増え、採用倍率が高まることは、学生にとって大きなデメリットになるでしょう。
採用基準が高くなる
新卒一括採用では、応募時期・対象・入社時期に大きな制約がある関係上、企業側はポテンシャル採用にならざるを得ない事情があります。
しかし、通年採用にはその制約がありません。企業は、時間をかけてでも優秀人材(自社にマッチする人材)を通年採用で採りたいと考え、難度の高い選考・採用基準を設けることが想定されます。
主体的な就活が求められる
新卒一括採用を前提とした就活は、数十万人の学生と数万社の企業が一斉にマッチングに動く超大型イベントであり、就活スケジュールに沿って、周りの人と同じペースで就活を進めることができる良さがありました。
しかし、通年採用を前提とする就活には決まったスケジュールがありません。いつ就活をするのかは一人ひとりの学生の判断に委ねられます。自分で考えて行動することが苦手な学生にとって、通年採用は大きなデメリットになるでしょう。
企業の通年採用のメリット
多様な人材にアプローチ可能
新卒一括採用では、募集対象が指定の卒業年度に該当する学生に限定されますが、通年採用では、大学1~2年生や既卒者(30歳未満)に募集対象を拡大できます。
また、これまではタイミングの問題があり、日本で就活ができなかった留学生や外国人の求職者にもアプローチが可能になります。
見極めの精度を高められる
通年採用では、応募期間や選考期間の制約がないため、選考する側に時間的な余裕が生まれます。この時間を活用して、選考回数を増やしたり、選考内容をブラッシュアップすることで、見極め(評価)の精度を高めることができます。
企業の通年採用のデメリット
マッチング率が落ちる
新卒一括採用では学生と企業の両者が期限を意識しているからこそ、活動期間内のマッチング率が高まる特長があります。
一方で、通年採用においては「期限の意識」が希薄化するため、企業の妥協なき選考(即戦力の優秀層を採用したい意識)が採用工数を増加させ、学生の妥協なき就活(もっと良い会社を目指す意識)が内定辞退を増加させる傾向が強まります。
通年採用とジョブ型雇用
日本の正社員の雇用システムは、新卒一括採用・年功序列型賃金・終身雇用がセットになったメンバーシップ型雇用が主流です。
その上で、近年では「国内外の優秀人材の採用には賃金制度自体の見直しが必要だ」「新卒社員の給与を上げ続けること、雇用し続けることが企業体力の面で困難になりつつある」など、メンバーシップ型雇用の制度疲労が表面化する中で、その問題解決の糸口としてジョブ型雇用が注目されています。
| ジョブ型雇用 | メンバーシップ型雇用 | |
| コンセプト | 就職 | 就社 |
| 職種・勤務地 | 限定 | 無限定 |
| 労働時間 | 限定 | 無限定 |
| 雇用期間 | 有期 | 無期 |
| 雇用形態 | 正社員・契約社員 | 正社員 |
| 解雇 | 比較的容易に可能 | かなり困難 |
| 採用方法 | 中途採用 | 新卒一括採用 |
| 賃金制度 | 職務給 | 年功序列型賃金 |
| 能力開発 | 本人主導 | 会社主導 |
このように、ジョブ型とメンバーシップ型の雇用システムは様々な面が異なるため、これまでメンバーシップ型の雇用システムを採用していた企業が、ある日突然、ジョブ型の雇用システムに全面的に切り替えることは現実的ではありません。
おそらくは、「40代以上の社員」や「管理職への昇進を希望しない社員」のような、一部の年代・役職・職種・キャリアコースに限定する形での “緩やかな” ジョブ型雇用の導入が進むことが考えられます。
この流れの中で、ジョブ型の雇用システムを適用する職種・キャリアコースの新卒採用を実施する際に、新卒一括採用ではなく通年採用(中途採用の一般的な採用方法)を選ぶ企業が増えることが予想されます。
おわりに。
新卒採用は、新卒一括採用から通年採用に切り替わるのか?
答えはNO。今後も通年採用を実施する企業は増えると思いますが、強固な基盤となっている新卒一括採用が廃れることは決してなく、通年採用と共存していくものと考えられます。
通年採用には通年採用の良さがあり、新卒一括採用には新卒一括採用の良さがあります。この認識のもとに学生と企業の両者がそれぞれにとっての最適な就職活動・新卒採用活動を選択されることを願います。
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