転職エージェントと転職サイトの10の違い

Contents(目次)

転職エージェントとはどんなサービスなのか?

転職サイトとの比較によって分かる10個の違いを知ることで、あなたの転職エージェント利用おすすめ度が見えてきます。

それではどうぞʕ•ᴥ•ʔ

転職エージェントとは

転職エージェント(人材紹介会社)とは、転職希望者と中途採用企業の両者に【介在価値】を提供するビジネスを手掛ける人材会社です。まずは、転職希望者と中途採用企業のそれぞれの立場で、転職エージェントの介在価値を見ていきたいと思います。

転職希望者にとっての転職エージェント

転職希望者にとっての転職エージェントは、頼れる転職サポーターです。

転職の成功というゴールに向かって、転職希望者の転職活動を無料で支援してくれる存在。それが転職エージェントです。転職エージェントが転職希望者に提供する介在価値は多岐に渡ります。

  • 転職相談(キャリア面談)
  • 求人紹介
  • 書類(履歴書・職務経歴書)添削
  • 推薦状を使った選考応募代行
  • 面接練習
  • 面接日程調整支援
  • 年収交渉支援

転職希望者が、これらの介在価値を無料で提供してもらえるのは、なぜでしょうか? その理由は中途採用企業にとっての転職エージェントの介在価値を知ることで見えてきます。

中途採用企業にとっての転職エージェント

中途採用企業にとっての転職エージェントは、頼れる採用パートナーです。

採用の成功というゴールに向かって、企業の中途採用を成功報酬のビジネスモデル(※)で支援する存在。それが転職エージェントです。

※中途採用企業は、採用者の年収の30%前後に相当する金額(例:年収500万円×30%=150万円)を転職エージェントに支払います。広告ビジネスである転職サイトには広告掲載料として数十万~数百万円支払っても1人の採用成果も出ないリスクがありますが、成功報酬ビジネスの転職エージェントは採用成果が出ない限りは0円で使える点に大きなメリットがあります。

転職エージェントが中途採用企業に提供する介在価値は多岐に渡ります。

  • 自社求人に対する選考応募意思の獲得
  • 推薦状による書類選考の効率化支援
  • 選考結果連絡の代行
  • 面接日程調整支援
  • 年収交渉支援

中途採用企業は、これらの介在価値を提供してもらうことで、通常は出会えない優秀な人材と出会うことができ、選考活動を効率的に進めることが可能になります。

転職エージェントは誰の味方?

転職希望者に対して介在価値を無料提供できるのは、中途採用企業から支払われる成功報酬フィーがあってこそ。

転職エージェントは慈善事業ではなくビジネスをしているので当たり前のことです。このビジネス観点において、転職エージェントは(介在価値の対価を支払う)中途採用企業の味方であると言えます。そして、転職エージェントが転職希望者に提供している介在価値は、その全てが、中途採用企業から成功報酬フィーを得るための合理的なビジネス活動であると解釈できます。

ゆえに、転職エージェントを利用する際には、

「転職エージェントは合理的なビジネス活動として転職希望者に介在価値を提供している」という事実を踏まえて、「自分も自身の転職成功というゴールに向かって合理的に転職エージェントを活用する」ということを心得ておきましょう。

転職エージェントと転職希望者は、対等な関係性なのです。遠慮は要りません。

転職エージェントと転職サイトの10の違い

転職エージェントを利用すると、具体的にどんなメリットがあるのか?

転職活動の二大サービスである「転職エージェント」と「転職サイト」の比較で両者の違いを知ることで、転職エージェントの利用メリットが浮かび上がってきます。

転職エージェント転職サイト
1. 求人数
2. 求人の探しやすさ
3. 未経験転職のしやすさ
4. 転職相談有り無し
5. 書類添削有り無し
6. 推薦状有り無し
7. 面接練習有り無し
8. 面接日程調整サポート有り無し
9. 年収交渉サポート有り無し
10. 利用のしやすさ

上記の「転職エージェントと転職サイトの比較表」をもとに、両者の違いを1つずつ見ていきます(それぞれの違いにおいて、どちらがお勧めかを解説します)。

1. 求人数

転職エージェント転職サイト
求人数

大手の転職エージェントは10万件規模の非公開求人を保有しているのに対して、大手の転職サイトの求人数は3万件弱。単純な求人数で比較すると転職エージェントがお勧めです。

しかし、以下のような事実から、求人数を重視するのであれば時間の許す限り、出来るだけ多くの転職エージェントと転職サイトを利用することをお勧めします。

  • 転職サイトには、その転職サイトのみの取扱い求人が多数ある(例えばマイナビ転職は約80%が自社のみでの取扱い)
  • 中途採用企業は転職サイトと転職エージェントを使い分けていることが多い
  • 転職エージェントには多数の非公開求人がある(大手は8~9割が非公開求人)

とはいえ、転職エージェントや転職サイトに登録し過ぎるのは大変なので、目安となる登録数をご紹介します。

<転職エージェントの場合>

  1. 大手転職エージェント:2~3社登録
  2. 職種特化型 or 特定の年代に強い転職エージェント:1~2社登録
  3. 小規模転職エージェント:1~2社登録

求人数の観点では大手転職エージェントだけでも十分に思えるかもしれませんが、重要なことは「自分にマッチする求人数」です。

この観点において「職種特化型 or 特定の年代に強い転職エージェント」と「小規模転職エージェント」は、大手の転職エージェントが保有していない独自求人を保有していることが多いので、ぜひ利用しましょう。

<転職サイトの場合>

  1. 大手転職サイト:3~4社登録
  2. 職種特化型 or 特定の年代に強い転職サイト:2~3社登録

転職サイトは、転職エージェントのような利用上の負担はないので、どんどん登録社数を増やして大丈夫です。

2. 求人の探しやすさ

転職エージェント転職サイト
求人の探しやすさ

転職エージェントは、転職相談(キャリア面談)を通じて自分にマッチする求人を提案してもらえるので、求人探しの難易度は低いです。一方、転職サイトでは自分で求人を探す必要があるので、転職条件が明確でない限りは求人探しの難易度が高くなります。

裏技としては、一度、転職エージェントの転職相談を終えた後=自分にマッチする求人の傾向が分かったタイミングで、転職サイトで求人を探す方法があります。この方法を使えば、転職サイトの求人探索も効率的に進められます。ただし、転職エージェントから紹介された求人を転職サイト経由で自己応募するのはマナー違反になるので気を付けましょう。

3. 未経験転職のしやすさ

転職エージェント転職サイト
未経験転職のしやすさ

転職エージェントに流通する求人の多くは年収レンジで400~800万円のミドル・ハイクラス求人になります。

このクラスの求人では、ある程度の専門性・経験や実績の積み上げが要求されることが多いため、未経験転職との相性は良くありません。

一方、転職サイトに流通する求人には年収レンジで400万円未満の求人も多くあります。その中には未経験でも応募可能な求人も含まれているので、未経験転職をしたい場合は、転職サイトを利用することをお勧めします。

4. 転職相談

転職エージェント転職サイト
転職相談有り無し

転職エージェントには転職相談(キャリア面談)が有り、多くのメリットを享受することができます。

<転職相談のメリット>

  • 自己理解を深めることができる(自己分析に役立つ)
  • 自分の市場価値を知ることができる
  • 自分のやりたいことができる企業が見つかる

しかし、転職エージェントの転職相談は、中途採用企業から成功報酬フィーを得るための合理的なビジネス活動の枠組みの中で行われるものである以上、転職相談の提供価値には限界があります。

転職が成功してナンボのビジネスをしている手前、「あなたは、転職しないほうが良い(現職に留まるべき)」といったアドバイスができる転職エージェントのキャリアアドバイザーはそう多くないでしょう。

しかしながら、最近は、こういったビジネスの制約を超越し、個人のキャリア支援に提供価値をフォーカスさせた新サービスも登場してきているので、より本質的なキャリア相談を受けたいと思う人に向けて参考情報をご紹介します。

<参考情報>
【おすすめ】求人紹介なしのキャリア相談サービス

キャリア相談の利用は当然有料ですʕ•ᴥ•ʔ

5. 書類添削

転職エージェント転職サイト
書類添削有り無し

転職エージェントでは職務経歴書や履歴書の書類添削をしてもらえます。

職務経歴書や履歴書には効果的な書き方があり、それを自分一人の力で学習するのは大変なので、こういった添削をしてもらえることには大きな価値があります。

なお、この書類添削時に、転職エージェントの担当者から「経歴の詐称」や「実績の誇張」などを勧められた場合、その転職エージェントを利用することは危険です。

6. 推薦状

転職エージェント転職サイト
推薦状有り無し

転職エージェントの求人に応募する場合、転職エージェントはその求人企業に対して「この候補者は、これこれこういった理由で貴社での活躍が期待できるので、宜しくお願いします」という推薦状を書きます。

この推薦状には、書類選考の通過率を高める効果があります。

ちなみに、書類選考の通過率を高める意味においては、推薦状よりも、その企業と転職エージェントとの信頼関係が大きく影響します。

ゆえに、複数の転職エージェントを利用する中で、志望企業とのパイプが太い転職エージェントから推薦してもらうのは合理的であると言えます。

7. 面接練習

転職エージェント転職サイト
面接練習有り無し

転職エージェントでは面接練習をすることも可能です。

就活の面接と同様に、転職の面接にもコツがあり、そのコツを押さえておくことで、選考通過率を高めることができます。

また、面接前には「想定質問」や「面接の流れ」「評価される人材の傾向」などの面接対策情報をもらえることもあります。

8. 面接日程調整サポート

転職エージェント転職サイト
面接日程調整サポート有り無し

転職エージェントは、転職希望者と中途採用企業の間に立って、両者の面接日程調整をサポートしてくれます。

これは両者の作業負担を減らす=転職活動や採用活動の効率化のためでもありますが、実は、この面接日程調整の中で、企業側から選考に役立つ情報を仕入れているのです。

たとえば、「当日はどなたが面接官ですか? その方はどんなタイプですか? 圧迫的ですか? それとも候補者の良さを引き出す質問をされるタイプですか?」という具合に、当日の面接の攻略情報を探っています。

9. 年収交渉サポート

転職エージェント転職サイト
年収交渉サポート有り無し

転職エージェントは転職希望者と中途採用企業の間に立ち、年収交渉をサポートします。

基本的には求人応募時の希望年収で話が進みますが、選考結果によっては、その希望年収額を調整する必要性が生まれることがあります。たとえば…

  • 希望年収の金額では採用基準に達しないが、希望年収よりも金額を下げる形であれば採用可能な場合
  • 選考時の評価が高く、希望年収以上の年収提示が可能であるが、幾らなら自社に入社を即決してもらえるかの調整をしたい場合

こういったケースにおいては、一つのコミュニケーションミス・ボタンの掛け違いが、入社辞退や選考見送りの判断に繋がります。

だからこそ、転職エージェントが間に入って、器用に立ち回る必要があるのです。

10. 利用のしやすさ

転職エージェント転職サイト
利用のしやすさ

転職エージェントは、転職相談(キャリア相談)のための面談が必要であったり、都度、転職エージェントとのやり取りが発生するので、一定の煩わしさが伴います。

一方、転職サイトであれば、自分のペースで気軽に転職活動を進められる気楽さがあります。

転職エージェント利用おすすめ度診断表

あなたの転職エージェント利用おすすめ度診断表をご紹介します。全10問の問診です(YES/NOで回答しましょう)。

<診断表>

1. 初めての転職だ
2. 自己理解が不足していると思う
3. 転職条件が曖昧だ
4. 自分の市場価値が分からない
5. 履歴書の書き方がよく分からない
6. 職務経歴書の書き方がよく分からない
7. 面接が不安だ
8. 自分一人の転職活動が不安だ
9. できることなら収入アップを狙いたい
10. 自分に合わない企業の内定は辞退する意思がある

<診断結果>

YESが3個以上:転職エージェントおすすめ度50%
YESが5個以上:転職エージェントおすすめ度70%
YESが7個以上:転職エージェントおすすめ度90%

※ただし、10番がNOの人は「転職エージェントおすすめ度0% 」です。

転職エージェントを利用する際には「転職エージェントは合理的なビジネス活動として転職希望者に介在価値を提供している」という事実を踏まえて、自分も自身の転職成功というゴールに向かって合理的に転職エージェントを活用するという心得えが大切にしましょう!

執筆者はこの人!

ニャン子
ニャン子

転職支援のプロ。人のキャリアは地続きになっているので転職した瞬間に薔薇色の展開が拓けるなんてことはないのだから、今をしっかり生きましょうと伝えたい派です。

公開日 2019-07-30 最終更新日 2023-03-19