福利厚生制度が充実している優良企業まとめ・ダイバーシティ編

企業活動とは社員の働きの総和であり、社員一人一人が能力を最大限発揮できるような支援をすることは経営における主要テーマの一つです。

そして、社員には生き方や価値観の違い(多様性)があります。

親の介護を考えている社員。仕事と育児との両立を望んでいる社員。仕事一筋ではなくプライベートも充実させたい社員。こういった多様性にどれだけ向き合うのか、どんな支援を優先するかについては各企業の判断に委ねられています。

そこで本稿ではダイバーシティに関連する福利厚生制度が充実している優良企業をご紹介します。就活や転職活動で優良企業を探す際の参考情報としてお役立ていただけますと幸いです。

ダイバーシティに関連する福利厚生制度が充実している優良企業まとめ

サイボウズ

“性別や国籍などとは関係なく、そもそもひとは多様であり誰一人として全く同じ価値観を持っている人はいません。サイボウズでは、「100人いたら100通りの働き方」があってよいと考え、メンバーそれぞれが望む働き方を実現できるようにしています”

・働き方宣言制度
社員一人ひとりが「自身の働き方」を自由に記述するスタイルで宣言し、実行する制度。

・ウルトラワーク(在宅勤務制度)
「働き方宣言制度」で宣言した働き方と異なる働き方を“単発で”することをウルトラワークと定義。在宅勤務、時差出勤を含む。

※「単発」の定義は、総労働時間のうち10%程度。おおむね1ヶ月を超えてウルトラワークが頻発する場合は基本となる働き方を変更する。

・育自分休暇制度
35歳以下で、転職や留学等、環境を変えて自分を成長させるために退職する人が対象。最長6年間は復帰可能。

ディー・エヌ・エー(DeNA)

・キャリア選択制度
育児・看護・介護等の事情により、仕事をペースダウンせざるを得ない社員が働き方を選ぶことができる(時間短縮勤務コース・契約社員コース)。

・介護休業
家族(配偶者、本人/配偶者の父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫)が要介護状態にある際に、一定期間休業することができる。

・育休復職サポート手当
産前・産後休暇を取得した女性社員、または連続して2ヶ月以上の育児休業を取得した男性社員の復職に際し、子どもが満1歳6ヶ月になるまでの間、保育料補助として毎月2万円を支給。

日本ヒューレット・パッカード

“多様性と包括性は、Hewlett Packard Enterprise (HPE)の基本的な価値観です。企業文化に織り込まれたものであり、成功をもたらす重要な原動力であると信じています。世界中の職場で、文化、国籍、民族、言語、信仰、考え方、性別、年齢といった多様性を認め、活かすことで、社員一人ひとりがリーダーシップを発揮し、HPEを前進させると考えています”

・ Women at Work Japan(WAWJ)
女性社員が働き続けるうえでの課題や経験を共有し、互いに成長することを目的とした女性社員の社内ネットワークグループ。所属や職種が異なる女性の交流や、社内外の講師を招いたセミナー、各種イベント開催など、女性のプロフェッショナル デベロップメントをめざす活動を企画・運営。

・出産・育児支援制度
子の看護休暇、育児短縮勤務(1日の勤務時間を最短4時間までに短縮可能)など、社員を取り巻く環境、条件に応じて柔軟に利用できる制度。給付についても、法定給付を上回る出産育児一時金、出産手当金や短期育児休職手当などを整備。

・介護支援制度/社外活動支援
通算6カ月までの介護休職、時間を選択できる短縮勤務や在宅勤務などを整備。ホームヘルパー派遣補助も実施。また、社外活動支援として年間6日間の社会貢献休暇が取得可能 。

サイバーエージェント

女性活躍促進制度 macalonパッケージ
女性が出産・育児を経ても働き続けられる職場環境の向上を目指して8つの制度をパッケージ化した独自制度。「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味がある。

・エフ休
女性特有の体調不良の際に月1回取得できる特別休暇。通常の有給休暇も含めて、女性社員が取得する休暇の呼び方を「エフ休」とすることで利用用途がわからないようにし、取得理由の言いづらさ・取得しづらさを排除している(エフはFemaleのF)。

・妊活休暇
不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に、月1回まで取得可能な特別休暇。急な通院や体調等に考慮し、当日取得が可。本休暇取得の際には「エフ休」という言葉を使用することで、周囲に知られず取得が可能。

・認可外保育園補助
認可保育園・認証保育園に入れないために仕事復帰ができない女性社員を対象に、高額な認可外保育園料の一部を会社が負担することで女性社員の仕事復帰を促進する制度。認可保育園と認可外保育園の保育料差額を支給。

カカクコム

・家族手当
扶養する18歳未満の子供1人目5,000円、2人目10,000円、3人目以降15,000円を支給。※管理・高度専門職層を除く一般社員が対象(年齢制限等有)

・育児休業
最大で子供が3歳になる年の年度末まで取得可能。

・育児短時間勤務
子供が小学校を卒業するまでの最大12年間取得可能(コアレスフレックスタイム制の選択も可能)。

メルカリ

・Sick Leave(シックリーブ)
病気・ケガを事由とした休暇を年10日間、有給休暇とは別に付与。メンバー本人だけでなく、日頃からメンバーを支えている大切な家族(配偶者やパートナー、子供、両親、祖父母、兄弟姉妹、ペット)が病気や怪我になった場合でも適応可能。

・結婚休暇&お祝い金
結婚にあわせて、特別有給休暇とお祝い金を支給。※結婚の定義は入籍・事実婚・同性パートナーとの婚姻。配偶者の定義は、その相手方とする。

・0歳児保育費用の補助 ※試験導入
復職から子が1歳になるまでの期間、認可・認可外保育園およびベビーシッター利用に関する費用を補助。育児休職から早期復職を望む場合に保育費用をサポートすることで復帰時期の選択肢を増やし、キャリア形成やライフプランの柔軟性を高めるためのサポートをする制度。社員の配偶者・パートナーを含む全社員が対象となり10万円/月を上限に利用できる。

ノバレーゼ

“ノバレーゼで働く女性比率は6割、多方面から活躍をみせています。一般的に、女性役職者の割合が平均15%ほどと言われている中、当社はその倍以上である41.6%。そして、出産後育児休暇を取得し仕事復帰するスタッフも100%と、驚異的な数字を誇っています。そんな女性活躍促進の姿勢が業界外からも評価され、2015年には「平成26年度なでしこ銘柄」にも選定されました。女性が活躍する企業をピックアップする「日経ウーマノミクス」や「マイナビウーマン」などのイベントなどにおいて当社スタッフが登壇者を務めるなど、注目を集めています”

・フレックスキャリア制度
会社と相談し、勤務時間や日数など“働き方”を変えられる制度。正社員の雇用形態のまま、ライフステージに合わせた勤務時間を調整して働くことができる。

・育児休暇
子どもが最大3歳に達するまで育児休暇が取得可能。一般的に法律で定められている「1歳または1歳6カ月まで」という企業が多い中、保育園入園枠の多い3歳まで育休を延長することで保育園を見つける可能性を広げることが可能。

ヤフー

・えらべる勤務制度
育児介護を抱えている社員に対し、働き方の選択肢を増やすことで、家族のサポートをしながらでも安心して働くことができるワークスタイルを提供するため、小学生以下の同居の子を養育する従業員、および家族の介護をしている従業員について 本人からの申請に応じて、土日の休日に加え、1週あたり1日の休暇(無給)を与える制度。

・プレグナンシーサポート休職制度
仕事と不妊治療の両立が困難な場合に休職をして就労を継続できることを目的とした制度。性別や既婚・未婚にかかわらず、社員本人が不妊治療をする場合に利用でき、勤続1年以上の社員を対象に最長で1年の範囲で取得できる。また、初回休職開始日から1年間の中で3回まで分割して取得することも可能。

・ノーマライゼーション休暇
障がい者の方が、より安定したパフォーマンスを発揮できるよう体調維持管理をしやすくすることを目的に制定された制度。障がい者手帳を会社に登録した方が障がいに伴う通院、入院、就業が著しく困難な際に、年度内に6労働日以内のノーマライゼーション休暇を取得することができる。

さくらインターネット

・次世代育成手当
勤続1年経過後の正社員に、子供1人(20歳まで)につき13,000円を支給。

・さぶりこワーク:ショート30
効率的に働き、早々に業務を完了すれば定時の30分前に退社することが出来る制度。これによって、例えば外部のセミナーなどで早く会社を出たいといったケースでもフレキシブルに退社する事ができる(早く退社することによる給与の減額は発生しない)。

・さぶりこワーク:フレックス
その日の勤務時間を10分単位でスライドできる制度。育児や介護、通院等の理由だけでなく、私用でも気軽に利用可能。これによって、業務前後の私用や、保育園の送り迎えの都合にあわせ、柔軟に勤務時間を設定することができる。

メンバーズ

・育児休暇制度
子供が最大3歳になるまで、勤務年数制限なく入社時から利用可能。

・スポット在宅勤務制度
育児・介護期間中、病気やけがなどの緊急時に利用可能。

・レスキュー在宅勤務制度
育児・介護社員に関わらず、全社員が自分自身や家族のトラブル時に利用可能。

シグマクシス

“自らのライフワークバランスを維持しながらプロフェッショナルとして成長を目指す人財が揃えば揃うほど、その多様性は増していきます。「違い」をお互いに認め合い、尊重して、組み合わせの価値を作り出していくことに、ダイナミックな楽しさがあります。それを社員が受け入れる風土があってこそ、女性や外国人のみならず、多様な個性をもった人財が集まり、活躍する組織になれる、とシグマクシスは信じています”

・育児支援制度
「キャリア」と「出産育児」を両立しながら、自らのプロフェッショナリズムを追求できる環境支援。出産前後の休暇は安心して休めるよう有給で付与。最大100万円の出産祝金の支給。一子当たり75,000円/月の育児支援手当を満3歳になるまで支給。

ゴールドマン・サックス

“全ての社員に対して公平な福利厚生を提供することを目標に、仕事とプライベートの調和を図り、社員が長期間働き続けられるよう努めています”

・事業所内託児所(東京チルドレンズ・センター)
2009年に開設。生後57日から未就学児までを持つ全ての社員が利用可能。育児休業から復帰した女性社員だけでなく、子供を持つ男性社員も多く利用。

・介護支援プログラム、家事手伝いの優待サービス制度
社員の家族一人あたり年間100時間の介護サービスを無料で利用することができ、地方にお住まいのご家族へも支援ができるようになっている。また、家事手伝いの優待サービスも提供している。

・ドメスティック・パートナー
事実婚関係にあるパートナーを同姓・異性に関わらず「ドメスティック・パートナー」と認定し、法的配偶者と同様に取り扱うなど、出来る限り公平な制度となるように努めている。

ボーダレス・ジャパン

・子ども手当
社員の子どもが健全に成長し、適切な教育が受けられるようにするための手当。金額は世帯収入や子どもの人数をもとに決定。

・パパ育児特休
父親になったメンバー(社長含む)には、子どもの生後6か月以内に合計12日間の有給休暇を強制的に取得。

・帰省手当
本人とその配偶者の実家へ帰省する交通費を、最大12万円まで会社が負担する制度。子どもの数と世帯年収に応じて支給額が決まり、盆と正月の年に2回利用できる。

カルビー

“カルビーグループでは、「女性の活躍なしにカルビーの成長はない」という信念の下、ダイバーシティの最優先課題として従業員の約半数を占める女性の活躍推進を注力してきました。女性管理職の登用を進めるとともに、障がい者雇用の促進、外国人の活躍推進、LGBTの支援等、多様性の理解促進と風土づくりのための施策を行っています。ダイバーシティ推進を通じて、多様な個人が自分らしく能力を発揮し、組織や会社の成果を生みだすグローバル水準でのダイバーシティ経営を目指しています”

・モバイルワーク
2014年4月から週2回上限、勤務場所を自宅に限定して運用開始。2017年4月から場所・回数の制限を撤廃。2020年7月よりオフィス勤務者は原則モバイルワークへ。

・LGBTQに関する取り組み
カルビーグループでは、人権を尊重し、性的指向・性自認の差別やハラスメントを行わないことをカルビーグループ行動規範に明記し、従業員誰もが自分らしくイキイキと働ける職場づくりに取り組んでいる。具体的には、慶弔休暇・慶弔見舞金の適用範囲を同性パートナーに拡大したほか、当事者や講師による講演会やセミナー、理解促進を目的とした社内報・イントラネットでの情報発信等を行っている。

味の素

“味の素グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進を、多様なキャリアを持つ人財が集まることによってイノベーションを生むための重要な経営戦略と捉えています。多様なキャリアを持つ人財を集めるにあたっては、性別、年齢、国籍、経歴等一人ひとりの多様性を重視しており、味の素グループの全力を挙げてダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいます”

・LGBTへの対応
2018年3月に「マーケティングコミュニケーションに関するグループポリシー」および「人財に関するグループポリシー」を改定し、LGBTに関する差別の禁止を明確化。2018年度の新卒採用よりエントリーシートの性別欄については男女以外を選択できるよう変更。

・事業所内保育所「アジパンダ®KIDS」
仕事と家庭を両立でき安心してキャリアを継続できる環境づくりを目的として、川崎事業所に事業所内保育所「アジパンダ®KIDS」を2018年3月に開設。

日本電産

・在宅勤務制度
半日単位からの取得が可能で、育児・介護による活用だけでなく、出張前後の取得によって移動時間の削減・負担軽減に繋がるなど活用の幅が広がっている。

・時差勤務制度
1日8時間の所定労働時間はそのままで、勤務時間を計画的に変更する仕組み。海外との時差対応や子どもを保育園へ送り届けてからの出社など、特定の事由により、勤務時間帯を日々設定できるため、各社員の状況にあわせて柔軟に活用することができる。

・時間単位年次有給制度
1時間を単位として有給休暇を活用できる制度。従来の1日単位・半日単位から1時間単位の取得を可能とすることで、通院や役所手続等に利用できるなど、効率的な取得により、メリハリをもって働くことができる。また、半日有給と時間単位年休と組み合わせての取得も可能。

阪和興業

・女性・外国籍社員への支援
ダイバーシティ推進の一環としてメンター制度を設けている。全ての新入社員には半年間指導員がつき、女性総合職・外国籍の新入社員にはさらにメンターが付いて心理的なサポートやアドバイスを実施。定期的なヒアリングを実施することで女性社員、外国籍社員ならではの悩みを気軽に話せる環境づくりを行っている。

・ライフイベント支援
育児休業:3歳の3月末まで(法定では最長2歳に達するまで)、時短短縮:小学校3年生の終了時期まで(法定では3歳に達するまで)、介護休業:通算372日(法定では通算93日)

ソフトバンク

・出産祝い金
少子化問題に企業として取り組み、子どもを安心して産み、育てることのできる職場環境をつくるための施策の一環として、従業員を対象に、第1子5万円、第2子10万円、第3子100万円、第4子300万円、第5子500万円の出産祝い金を支給。

・キッズ休暇
子の看護、予防接種・健康診断への同行、保育園・学校行事への出席、保育園・幼稚園・小学校側の都合や配偶者の入院等により、当該子の保育・養育ができない場合に子の小学校卒業時まで年間10日間取得可能。

アクセンチュア

・短日短時間勤務制度
週3日以上及び週20時間以上の範囲内で勤務時間を設定可能。制度利用の理由は育児や介護、ボランティア活動への参加も認められる。

・育児休憩時間
子が1歳になるまで、女性社員は休憩時間のほかに1日2回各30分まで(または1日1回1時間)、子を育てるための時間を有給扱いで取得可能。

・ベビーシッター補助
ベビーシッターの利用にあたり、初期費用100%、利用費50%(上限2万円/月)を会社が負担。

バンダイ

・出産子育て支援金
社員の子どもが生まれた時にお祝い金を送る制度。支援金は第一子・第二子が30万円、第三子以降は300万円。

・育児フレックス・時間短縮制度
小学6年生以下の子どもを養育する社員を対象とした育児フレックスや、時間短縮制度などでさまざまな子育てのスタイルを応援。

執筆者はこの人!

ジョブ吉
ジョブ吉

就活支援のプロ。自分のキャリアを考える機会を増やすことで“くじ引き”と言われる初職選びで外れくじを減らすことができると信じている派です。Twitterはこちら

公開日 2019-07-06 最終更新日 2022-07-03