【就活寓話】金のオファーレター、銀のオファーレター

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むかしむかし、あるところに、内定先から授かったばかりのホクホクなオファーレター(採用通知書)をニヤニヤと眺めながら歩いている若者がいました。

オファーレターを前に、顔がほころぶ猫

推定年収240万円の普通なオファーですが、若者にとっては、度重なる選考を通じて苦労して手に入れた特別なオファーレターです。ニヤニヤが止まりません。

その時! 

「ピューッ」と突風が吹きつけ、若者がぎゅっと握っていたオファーレターをさらっていったのです。若者は、ひらひらと宙を舞いながら飛んでいくオファーレターを追いかけました。

しかし、オファーレターは、自ら意思を持ったかのように、若者が伸ばす手をひらりひらりと避けながら風に乗って飛んでいきます。

若者はオファーレターを追いかけました。ひたすら追いかけましたが風に運ばれるオファーレターには手が届きません。

やがて、オファーレターは若者をはるか後方に置き去り、ゆらゆらと下降し、小さな泉に落ちてしまいました。

若者が小さな泉に到着する頃には、もう手遅れでした。泉の真ん中に落ちたオファーレターには手が届きません。水の中に沈んでいくオファーレターを前に、若者は呆然と立ち尽くすしかありません。

すると…なんということでしょう? 泉の中から神様が出てきたではありませんか!?

神様:お前が落としたのは、この年収240万円の普通のオファーレターか? それとも年収600万円の銀のオファーレターか? あるいは年収1000万円の金のオファーレターか?

若者:えっ、も、ももももちろん、年収1000万円の金のオファーレタっす!!!

神様:そうかそうか、それでは年収1000万円の金のオファーレターを受け取るがよい。

若者は、嘘をついて高年収のオファーレターを手に入れてとても満足しました。本日最高潮のニヤニヤ顔で帰路につきました。

しかし、この時、若者は年収の高さの “意味” を理解していませんでした。高い年収には、その金額相当のハイパフォーマンスを要求されるということを。

若者は金のオファーレターの発行元企業「小泉商事」で働き始めるもパフォーマンス不足で試用期間中に解雇されたのです。

おしまい。

(池田 信人)

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