【就活相談】急成長企業が陥りがちな「成長の罠」とは?

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就活相談(就活に関する質問や悩み)に、就活支援のプロフェッショナル「ジョブ吉」がズバッと答える企画。それが就活相談です。

それではどうぞ!

急成長しすぎた猫

【就活相談】急成長企業が陥りがちな「成長の罠」とは?


就活相談の内容

私は急成長している企業に行きたいです。成長企業に入れば自分も自然に成長する可能性が高いと思っています。ただ、社会人から「急成長企業への就職はリスクが高い」と言われ、なぜそのようなことを言われたのか分かりませんでした。なぜリスクが高いのですか?

就活相談の回答

~ナレーション~ 
誰もがうらやむ超大手人気企業に勤めるビジネスマンだったジョブ吉(主人公)は、世界一の企業を作るという野心から起業をすることを決意し退職。

とはいえ、どんなビジネスで起業するのかが定まらずに、ただただ時間だけが過ぎていく焦燥の日々の中で、たまたま見ていた水戸黄門の再放送回の中に出てきた、うっかり八兵衛が茶屋で団子を食べるシーンにビジネスの着想を得たジョブ吉は「立ち食い茶屋」の店舗を出店することを決意。

「立ち食い茶屋」は低価格・高回転のビジネスモデルだ。メニューは300円の団子2本とお茶一杯のセットのみ。こうすることで仕入れや在庫管理、接客対応等のオペレーションを効率化できる。店舗は8坪程で少々狭いのだが、客の回転率を高める工夫をしているので問題ない。

この「立ち食い茶屋」の一号店の出店場所を決める上では相当悩んだが、ジョブ吉はターゲットを若者に定め、渋谷に出店する決断をした。「シニア層に支持されている団子という商品特性や、立ち食いというスタイルを考えるならば新橋がベスト」という社内の多数派意見をジョブ吉が押し切った形だが、これが功を奏した。

「サッと立ち寄れて、ものの数分で小腹を満たすことができる。しかも300円ぽっきりで」というコンセプトが若者にウケたのだ。マスコミにも取り上げられた影響もあり、業績は想像を超えるレベルで好調に推移。瞬く間に都内に10店舗を展開する規模(年商5億円)にまで成長を遂げたのであった。

副社長:社長! いよいよ全国展開も視野に入ってきましたね。

ジョブ吉:そうだな。この飲食業界で圧倒的な国内ナンバーワンになるためにはスピーディな出店が不可欠だ。ただ、膨大に積みあがる出店費用を捻出する必要がある。銀行は融資してくれるかな?

副社長:社長! 成長企業には二つ返事で金を貸してくれますよ、銀行は。明日にでも話をつけてきますね。

ジョブ吉:よろしく頼むよ~。

~ナレーション~ 
ジョブ吉の「 全国展開を一気に加速させる」経営判断は正しく、あっという間に年商100億円の大台に到達するまでの成長を遂げたのであった。

ジョブ吉:ハハッ、笑いが止まらんなー。こんなに急成長した企業はそうそうないな! だが、ワシがつくりたいのは世界一の企業。次は年商1,000億円や!

副社長:社長! 成長を加速させるのであれば、もっと投資をしていきましょう。出店スピードを速める場合、従業員がボトルネックになってくるので、先行投資でバンバン雇っていきましょう! 売上がついてくればすぐにペイできますよ。

ジョブ吉:よろしく頼むよ~。

~ナレーション~
この出店ペースを速めるための大規模な人材採用が、これまでの順風満帆な状況に影を落とすことになるのだが、この時のジョブ吉は、そのことを知る由もなかった。

副社長:社長! 各店舗の顧客満足度が下がっています。店舗が汚い、接客レベルが低い、といったことが要因のようです。

ジョブ吉:マネージャーはなにしとるんや!

副社長:店舗責任者を担うマネージャーの40%は半年以内に入社した社員です。採用を急拡大しているのでマネージャーにスキルや経験が足りていないんです。

ジョブ吉:ぐぬぬぅ。

~ナレーション~ 
急に人員を増加させた副作用が表出し始めてきた。そこに重なる、競合他社の追随。「立ち食い団子屋」や「立ち寄り茶屋」といった具合にジョブ吉が考案したビジネスモデルを模倣する店舗が増えてきたのだ。こうなるとオリジナルの「立ち食い茶屋」の競争優位性はなくなってくる。競合が仕掛けてくる価格競争(通称:団子戦争)にも乗っからざるを得なくなり、いよいよ赤字店舗が増えてくる事態に。

副社長:社長! この赤字状況では追加融資も無理です。資金を工面するために予算を縮小しましょう!

ジョブ吉:そうか…うちのブランド力なら広告費を多少はカットしても客は来るだろう。それを廻せ。ああ、あと最近始めた新規事業な。あれ、どうせ儲かってないんだから、いったん計画を白紙に戻してもかまわん。

副社長:御意。

~ナレーション~
広告費をカットした結果、客足が目に見えて鈍くなり赤字が拡大。さらに、 ストップさせた新規事業領域にコミットしていた創業メンバーのN氏が退職。そして、ジョブ吉よりも信頼が厚かったN氏を慕うメンバー(しかも会社の中核を担う社員ばかり)が後を追って次々と退職する事態に発展。ジョブ吉の経営判断はことごとく裏目に出たのであった。

次回、最終話「俺たちの戦いはこれからだ!」へ続く…

どうも、ジョブ吉ですʕ•ᴥ•ʔ

これはフィクションだけど、実はこういう話は本当に多いんだよ。ジョブ吉はこれを「成長の罠」と呼んでいるよ。成長することによる痛み、成長痛とも言えるね。

<成長痛のプロセス>

  1. 売上拡大
  2. 新規投資
  3. 商品・サービスの質の低下
  4. 外部環境の変化( 競合他社の追随など)
  5. 売上減少
  6. 予算縮小
  7. 人材離れ
  8. さらなる商品・サービスの質の低下

そして、この成長痛のプロセスで今後の成否を分けるターニングポイントは2番の「新規投資」なんだ。

だから、成長企業に出会った際は「今後どのような投資をしていくつもりなのか?」ということを注視するといいよ。どんな風にお金を使うのか、それは身の丈にあった投資なのかをチェックしようってことだね。

ほら? よく言われるじゃない? 「お金は稼ぐことより使うことが難しい」ってね。

こちらからは以上です。

(ジョブ吉)

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